ローディング

改修は足し算と引き算

NOTE

日暮里の改修現場は折り返し地点です。解体の後に、現場の状況を確認しながら少しずつ設計内容を調整してきました。

かつて2層に渡る住居だったこの場所が、これからスタジオやシェアスペースとなり街の中に新しい風を吹き込もうとしています。新たな運営の試みに、私たちもワクワクしながらこれまで一緒に取り組んできました。

それにしても改修の現場の面白いところは、新しいものをつくりながらもどうやって既存を活かしていくかと、相反するものごとを同時に考え進められるところですね。

特に今回の現場は、床・天井・室内の間仕切り壁はほぼ解体していますが、外壁に接する壁下地やキッチン設備はあえて残しています。同じ空間でどこを引き算するかを丁寧に絞り込み、そして必要なところにだけ、足し算をする。

足したり引いたりしながら進める現場は、大工さんとの打合せも「どうつくるか」と「どう残すか」が続きます。その積み重ねで、少しずつお互いのさじ加減が伝わり合って、住まいでもテナントオフィスでもない、おおらかで肩肘張らない場に近づいているように感じています。

既存のキッチンをまずは残す。これからどうやって変わるのかはお楽しみ。

床タイル貼りの墨出し。細かい寸法まで丁寧に。

壁の仕上げを剥がしたら、綺麗な素地の下地が現れた!