夏の家、これからの住まいへ
避暑地として賑わう町の喧騒から少し離れ、古くからの別荘地に佇む旧家。幼い頃から夏になると通っていたかつての夏の家。老朽化に加え、夏向きに作られていた家は通年使用には向かないとても年季の入ったものでした。お勤めも一区切りされ、都心での生活から、少しずつ郊外暮らしにシフトしていくきっかけも合間って、これからの夫婦の住まいとして新たな小屋を建てることになりました。
読書家であるご夫婦の大量の書籍を保管するために大きな本棚でリビングを囲います。音響機器の収納も兼ね、寝室との境壁にもなっている両面本棚はお施主さんが模型まで作られて考案された、思いが詰まった家具になりました。
素材は抑えつつ、広さと寒さへの機能性を優先した新たな小屋でのこれからの生活。家具や本を運ぶ度に楽しそうなご連絡をいただくことで、僕らもとても楽しい気持ちになれるのです。日常の環境を整えること、これまでを思い切って一新すること、その決断がこれからを前向きに変えていくと感じられる家になりました。