ローディング

スルーハウス

WORKS

through house       -三鷹台の家-

 

建主である若い夫婦は働き盛りの30歳。仕事を軸とする多忙な平日と、

できるだけ家で過ごす休日というはっきりとしたライフサイクルがあり、

またその時住んでいたマンションのプランと生活動線の不一致さを語っていた。

設計序盤、いつものライフサイクルを生活行為として整理し、生活の深度という視点で並び替える作業を建主と行った。

行為としての日常を見直し、並べなおすことで、生活行為を繋がりある一連の断片として配置しなおす。

生活行為をコマとして置き換え、4コマをずらすように重ね、10コマを繋ぐ。段床を巡廻することで、各コマで変化のある景色を作り出す。

中心性のある田の字ではなく、コマの連なりとしてのシークエンスを意識し、1コマには1機能 1窓を原則した。

隣のコマの窓は次への展開への補助線となるよう配置し、一連の段床とコマの変化を通して、室内における移動する楽しさへと繋がるよう意識した。

深度を持った断面は雑把に分けると3層からなる。生活の深度を重層した住宅は日常のシークエンスを内包する家になったように思う。

そしてそのシークエンスに寄り添うひとつ一つの開口部が、外部にもたらす建築の表情として表れ、街と呼応する。

THROUGHとはカタカナで書けばスルーである。

無視やパスするといった忌避的な意味で捉われがちだが、この住宅で目指したのは「間を獲る」という能動的な価値である。

間に与えた機能だけでなく、間を通過すること、間を介することで会得する行為や距離の変位を求めた。

【建築概要】

所在地:東京都三鷹市

用途:専用住宅

家族構成:夫婦

構造/規模:木造在来構法 一部RC造・地上2階

敷地面積:100.05㎡

建築面積:47.95㎡

延床面積:107.73㎡

竣工年月:2019.10

構造設計:辰巳 雄一 (studio83)

施工:山菱工務店

建築工事費:2000万円代

設計協力:溝部礼士建築設計事務所