ローディング

ムール貝から15年

NOTE

-いずみ中央の住まい お引き渡し-

 

盆休み前の週末、竣工したいずみ中央の住まいの引渡しがありました。

昨年の4月、初めてのご相談にアトリエにいらしてくださったお施主さんとは15年振りの再会。西豪州の小さな港街でたった一度だけお会いして以来、特に連絡を取り合っていたわけでもなかったのですが、ご縁というのは必ずあるようですね。あの時、一緒にムール貝を囲った方の家を設計するとは、当時、建築の勉強すら始めていなかった自分は想像すらつきませんでした。

お仕事の後、毎回の提案を心待ちにしてアトリエに来てくれるご夫婦は、いつでも大らかに提案を受け入れてくださってくれました。提案のたびに嬉しいリアクションをしてくださるので、こちらもとても楽しみに設計と提案を重ねてきました。また、打合せ後の恒例となっていたご夫婦との中華料理店。毎回、楽しく、たらふく食事を楽しんだこともお二人との楽しい思い出。

一年と少しの時間をかけて、家族のこれからの住まいを一緒に作っていくということ。私たちからすれば毎日がその繰り返しですが、お施主さん一人ひとりにとってはやはり特別な月日。打合せを重ねるにつれ、新居のイメージが具現化してく過程は誰にとってもワクワクするものでしょう。

「完成したのはすごく嬉しいです。でも、みなさんとの打合せがもうなくなってしまうのは何だか寂しいです。」

お引き渡し最後の言葉が何よりも糧になった住宅設計でした。