“申し訳ありませんが、家の中の物を全部、

　　　　　　　　　　　　　　　　家の前に出して写真を撮らせて下さい。”

世界中の家族を、このお願いと共にひとりの写真家が撮り続けたこの「地球家族」は、私たちが日々暮らしや住まいを考える中で、とてもたくさんの気づきを与えてくれる大切な本の一つです。

およそ25年も前の記録なので、人々の暮らしが見せる時代の風景は先進国ほど顕著に感じられますが、当然のことながら「それぞれの暮らし」は違うのだということを、どのページも真っ直ぐに伝えてくるのです。

それぞれに違うということ。

撮影された当時に比べれば、多くの文明社会がIT技術の普及によって少しばかり似通った変化があると思うけれど、それぞれが違うことを豊かにつないでつくる未来に向かって私たちの仕事があるならば、と想像することをいつも大切に思い返していきたいですね。