千葉ウシノヒロバ内のキャンプ利用者のために
トイレ棟を設計しました。
この施設は牧場をはじめとした様々な事業を展開する場であり、
全体の設計者として関わらせて頂きました。
キャンプ場のテントのようなシンプルな形は、
夜の暗闇に光が灯るとはっきりと浮かび上がります。
宿泊する人々が必ず利用する場所を、
キャンプの楽しく美しい記憶の中に溶け込ませたいと考え、
この夜の風景をイメージしながらデザインしました。
トイレは靴を脱いで入るデザインを提案しています。
自然の中での泥汚れを個々のブース内に引き込まないことで、
清潔なサニタリー空間を保てるように。
それはテントの中に入る所作と同じ体験でもあるのです。
屋外トイレにつきものの虫対策をしながらも、
空調設備に頼らないトイレを実現するためにヒントにしたのが「蚊帳」。
天井は三角の木造屋根で雨風を凌ぎ、蚊帳によって虫を防ぎます。
柔らかな蚊帳の素材感が、テントの中にいるような気持ちと結びつくことも意図しています。