ローディング

Triangle Roof

WORKS

 

風景と所作による」場づくり


Triangle Roof   – サニタリー群 トイレ-

千葉ウシノヒロバ、キャンプ利用者のためのトイレ棟を設計した。この施設は牧場をはじめとした様々な事業を展開する場であり、全体の設計者(マスターアーキテクト)として関わった。

 

キャンプエリアに隣接するサニタリーは敷地全体の中央に位置し,トイレ,キッチンからなる3棟の建物群である. 泥まみれの床,照明に集まる虫,狭く混み合う炊事場.アウトドアが敬遠されるきっかけとなる水回りの課題に向き合い, 機能と形と清潔さを簡素に落とし込んでいった.屋外施設としてはめずらしく, トイレは靴を脱いで入ることを提案し, 清潔さに配慮.一見手間のように思える靴を脱ぐ動作はテントに入る所作と同じに過ぎない. 機械設備に頼らない虫対策として, 天井に蚊帳を吊り下げた. シンプルな三角屋根が雨風を防ぎ,内部に釣られた蚊帳を室内から見上げると柔らかな素材感がテントの中にいるような感覚と結びつく.夜の暗闇に光が灯ると,サニタリー群はキャンプサイトのテントのような佇まいとなる. 宿泊者が必ず利用する場所をキャンプの楽しく美しい記憶の中に溶け込ませたいと考えた. この夜の佇まい方をイメージしつつ, テントのような風景と所作から設計した.

【建築概要】

所在地:千葉県千葉市

用途:トイレ

構造/規模:木造

敷地面積:10ha

建築面積:131.04㎡

延床面積:131.04㎡

竣工年月:2020.11

構造設計:辰巳 雄一 (studio83)

施工:湯川工務店

写真:足袋井竜也